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安中市 五料の茶屋本陣 土間の古民具の続き - 群馬の観光や名物と上毛かるた

安中市 五料の茶屋本陣 土間の古民具の続き

『中仙道しのぶ安中杉並木』札画像『中仙道しのぶ安中杉並木』

 安中市松井田町の「五料の茶屋本陣」について、前回の更新は「お東の井伊の赤備」について書きました。が、ひとつ前に更新した「お西の土間の古民具」が中途半端な状態のままだったので、今更ながら続きを書いてみようと思います(訪問は2015年4月)。

 土間の奥の方から馬屋のあたり(南)を見たコチラの写真が前回の土間の古民具記事の最後でした。
エンガの前あたりから見た南方向

 ここで右斜め後ろを振り返ると『籾すり臼』
籾すり臼
そば粉なんかを挽く石臼とはだいぶ様子が違いますが、同じようにグルグル回す構造のように見えます。

 その奥に見えている機械は企画展示の 金太郎の五月人形を書いた記事 の最後に紹介した『金時籾摺機』(きんときもみすりき)です。
金太郎の絵が描かれたプレート部分
籾すりに使う手動の器具と何かの動力(電気モーター?)を使う機械が並べてあったことに今更気が付きました。手動の臼に対して、機械の方はどこがどう省力化されているのか、次の機会には見比べたいと思います(見ただけで分かるかなぁ~???)。

 南に向き直って、『FINE』(かな?)と刻印された足踏みミシンの上には『手回し洗濯機』が乗っています。
手回し洗濯機

減圧式手回し洗濯機
昭和三十四年の購入。
三・四年で「電気洗濯機」が出現して生産中止となる。
靴下・ハンカチ・タオル下着等結構きれいになり、場所も取らず、珍しい洗濯機だった。
だそうです。

 現役で稼働しているところを私は知りませんが、似たモノをブログに書いた記憶が……
赤堀で見た球体洗濯機
伊勢崎市「赤堀歴史民俗資料館」2階の常設展示 で見た『球体洗濯機』でした。同じ物か、特許スレスレの類似品というところでしょうか。

 エコだし音も静かでしょうから、現代の不規則&節約生活をしている独り暮らしの学生さんとかに流行ってもよさそうですよね。ペイントする面積が広いから色々なデザイン(ぐんまちゃんとか)も出来て、なんならインテリアとしても……って、忙しい現代人が牧歌的にのんびりグルグルと手回しなんてナンセンスでしょうか(^_^;

 洗濯機の後ろにあったのは『唐箕(とうみ)』
唐箕

唐箕
農具の一つ。穀物を精選して籾殻などを除去するもの。昭和初期のもの
松井田町五料にお住まいの方から寄贈されたものだそうです。歴史の教科書で「風で飛ばして云々」と見たような気もしますが、どこがどうなっているのか理解出来ていません。

 唐箕の後ろにあったのは……おっと、ブレた写真ですみません。
唐箕の後ろ
左の『まんごく 良い米と悪い米をよりわける』と、隣のギザギザしているのは『せんばこぎ 稲の穂をこきおとす』です。やっぱり私は「教科書で見たような気がする」という程度の認識です。

 その隣のたばこの看板は自分でも見覚えがあって懐かしいです。
ホーロー看板
私が「ホーロー看板」という言葉を知ったのは、あまり見かけなくなった後だったと思います。他にレトルトカレー、栄養ドリンク、殺虫剤、軟膏あたりの看板が定番でしたね。

 山の方へドライブに行くと山間の集落などで平成に入っても暫くはこんなホーロー看板を見かけた気がします。さすがに最近は見覚えがありませんけどね。博物館や記念館で懐かしむしか無いのでしょうか。少し寂しいです。

 看板から右に視線をずらすと『ふいご(鞴)』がありました。
ホーロー看板

ふいご(鞴)
把手(とって)を押したり引いたりあいて箱の中のピストンを動かし、風を押し出す日本に古くからある送風機である。鍛冶屋や鋳物師が使う道具である。
 ふいごそのものについては一応知っていましたが、この旧群馬県松井田町で鍛冶屋や鋳物師というのがピンときません。有名でなくとも各集落に存在した産業なんですかね。もうちょっと勉強する必要がありそうです。

 ふいごの隣は『座繰り機』
ホーロー看板
これは 『繭と生糸は日本一』 の群馬県ではアチコチで見かける道具です。いえ、もちろん現役としてではなく資料としてですけどね。当ブログ内で過去に紹介した記事でいうと………いや、いくつもの記事が該当してしまったのでリンクはやめておきます。

 ふいごから右に横歩きすると土間の中央に出るので、前回の 「五料の茶屋本陣 “お西”」の土間の展示品 のスタートあたりに戻ります。
土間中央の展示テーブル

 ここで右(南)を向いて入口の辺りを見ると……
土間から見た入口
あら、まぁ、私ごときの写真でもなんだか素敵なコントラスト。ガッチリした梁に支えられた建物の重厚さと、明るく柔らかな陽の光。上手な人が撮ったら遥かに素敵な写真になるのでしょうね。

 と、話をまとめたいところなのですが、まだ土間の紹介は終わりません。上の写真から右へ90度回転して見えるのが、2015年4月22日更新の『安中市 五料の茶屋本陣 五月人形展の金太郎』で紹介した、土間から座敷に上がる靴脱ぎ場です。
土間から靴脱ぎ場とその奥の座敷を見た様子

 が、ここから再度カニのように右方向へ横歩きをすると……
土間の北壁あたり
土間の北壁には流し、シンクらしきものが見えてきます。

 そういえば前回の五料の茶屋の更新でも触れませんでしたが(アップ写真撮り忘れ)、上の写真の左手前にかまども写っています。

 昔話や歴史の教科書で知識としては知っていても、対面キッチンなんてのが当たりまえの現在では、土間での調理なんて信じられない若者が多いのでしょうね(いや、私もよくは知りませんが)。

 かまどだけを引っこ抜いて博物館に展示するのではなく、実際に土間に配置された展示は状況が分かり易くてありがたいです。

 あっ、もうちょっとかまどが写っている写真もありました。
かまど
「ブレッブレでなんだか分からんわッ!( ̄□ ̄メ)」
ですよねぇ~。横歩きしながら立ち止まらずに撮ったこんな写真しかありませんでした。ごめんなさいね。

 気を取り直して『ながし』の辺りを見ていきます。
ながし
錆びているように見えますし、真ん中の鍋は鉄製でしょうか。奥に見える藁束(?)は、タワシやスポンジのように洗浄用具として使用……というシーンを時代劇で見たような気がしますが良く分かりません。

 流しの手前にあるのは『水舟(みずぶね)』
水舟
『“かけい” から飲料水を取っていた』と解説されていましたが、どうもこの水回りの辺りが実際にどんな風に使われていたのかピンとこないです。「かけい」を辞書で引くと「筧」の字があてられ「かけひ」の項を見るよう促しています。

 今手元にある小学館国語辞典で、「ながし」を含めて解説を確認してみます(該当外の説明は省略)。

  • ながし【流し】:台所・いどばた・湯殿などの、洗い水を流す所。流し場。
  • かけひ【筧・懸樋】=かけい:地上にかけわたして水をひく、とい。
  • みずぶね【水舟】:水をためる大きなはこ、また、おけ。
 う~ん、一応それぞれがどういうものかは分かりましたが、実際の使用状況が浮かびません。水舟に溜めたのは雨水なんですかね。それとも井戸から水舟までかけいで繋いだということでしょうか。流しで調理なり手洗いなりに使う水は、水舟から桶でも使って運んだんですかね。

 私の頭の中のイメージが正しいか分かりませんが、不便だけれども、とにかくのどかな情景が浮かびました。現代とは違う、ゆるやかであったであろう時間の流れに憧れを感じ……いや、1泊くらいの体験ならともかく、上下水道の整備されていない生活に貧弱な私が耐えられるはずもありません。せいぜい想像の世界での疑似体験にとどめておきます。

 水舟から振り向き気味に右方向を見ると、臼と杵(これくらいは私も分かります)の手前に大きな桶(樽?)。
みそ樽
蓋の上の白い紙には『みそ樽とみそかき棒』と書かれていました。みそ樽は分かるけどみそかき棒ってどれ?と思って良く見ると、何か棒が樽にささっています。これでしょうね。先端に特徴があったりするのか、蓋をあけて中を確認すれば良かったです。そして知識としては知っていても、各家庭でみそを作っていたという事実にはやっぱり驚きます。

 そういえば臼と杵も祭りの時くらいしか見かけなくなりましたね。私は小さい時に母親の実家で見たことがあります。お婆ちゃんがこねて、お爺ちゃんがついて……いや、そんな元気な姿は見覚えが無いなぁ。たぶんうちの親とか他の親戚が餅つきをしたんでしょう。とにかくつきたてのお餅が美味しかったような覚えがあります(バカ舌なので明確ではありませんが^_^;)。最近ではノロウィルスが心配だとかで、餅つきをしてもその場で振る舞わなかったりするそうですね。つきたてが美味しいのに何がどうなっているのやら……。

 これでだいたい土間の展示品の紹介は終わりました。でも流しの奥にも道具がズラリ。
みそ樽
実際には土間を見た後、五月人形の展示を見ながら奥の方の座敷を見て、それからこの場所に戻って撮った写真、という具合に続くのですが、ついでなので紹介しちゃいます。

 板の間に並べられた道具を正面から見るとこんな様子。
板の間に並んだ道具
良く見るとこちらを向いている大き目の案内以外にも小さな札が複数見えています。が、全部は記録していませんでした。写真に撮ったものだけで内容を紹介すると、左の方から……

醤油樽(しょうゆだる)
(寄贈者名)
手桶(ておけ)
(寄贈者名)
五升釜(ごしょうがま)
碓氷関所で使用したという五升炊きの銅合金の釜
(寄贈者名)
石臼(いしうす)
上の石を回して、米や麦などを粉にする道具
(寄贈者名)
石臼は小さい札の写真も撮っていました。
いしうす(石臼)
米・大麦・そば・いった大豆などを粉にする道具。
悪い米をこなにしてまゆだまにしたり、大麦をひきわりにして米に混ぜて食べた。
いった大麦を石臼で粉にすると「こうせん」になり、いった大豆を粉にすると「きなこ」が出来た。
「こうせん」というのは「香煎」らしいですね。はったい粉、麦焦がし、煎り麦なんて呼び方もあるとか。今までの人生で手にとったり口にしたことがあったのかなぁ。残念ながら別名はおろか、漢字も覚えられそうにないです。

 最後はこちら
製麺機
製麺機ラベル部分
『小野式製麺機』だそうです。解説もなかったと思いますし、ラベルを撮った写真でも製造時期が確認出来ないのが残念です。

 確かに「うどん」や「おっきりこみ」など、粉モノを麺として食べるのは伝統食として上州に根付いていますが、そういう用途に使われたものなのか、もっと最近の話でパスタを作るようなハイカラなお宅からの寄贈だったのか、展示に至った事情が分かりませんでした。いや、寄贈者のお名前も表示されていないということは、この「お西」で暮らしていたお宅で使われていたものですかね。

 あっ「グンマーの個人宅でパスタ作りだとぉ?」なんてバカした声が聞こえた気がしました。驚くなかれ、群馬県はパスタを含むイタリア料理店が多いんです(関連記事:群馬は人口あたりのイタリア料理店数全国2位)。

 だからと言って自宅でパスタの製麺までするかどうかは別の話。個々の家庭の趣味嗜好によるところが大きいでしょうから、この製麺機で何を作っていたのかは、やっぱり良く分からないです。

 平成生まれの若者よりは、私の方が古民具についての知識があると思っていましたし、たぶんそれは事実でしょうけども、この五料の茶屋お西の土間だけでも思いの外分からないことがありました。機会があれば実際に使っていた人からひとつひとつ解説や思い出を伺ってみたいものです。


※後日追記
 おまけ的な内容ですが、風呂場の話 を翌日更新しました。

◆五料の茶屋本陣

  • 所在地:群馬県安中市松井田町五料564-1
  • 電話:027-393-4790
  • 入館料:大人210円、子ども100円
  • 開館時間:
    • 冬季以外:9:00~17:00(入館は16:30まで)
    • 冬季(12~2月):9:00~16:30(入館は16:00まで)



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コメント
非公開コメント

イタリアン

こんにちは。

≪群馬は人口あたりのイタリア料理店数全国2位≫
アッと思ってすぐに調べてみましたよ。
1位東京、2位群馬、そして3位長野でした。
こちらに来て驚いたのは、イタリア料理店の多い事!
次から次から出来るお店もイタリアン。
何でこんなに、イタリア料理が好きなの??と不思議だったのよ。
そうか、群馬には負けていたのね。
これ、お隣同士で2位と3位って、面白い現象ですよね。

2017-01-22 16:21 | from 万見仙千代 | URL | Edit

No title

こんばんは♪
土間の光と影のコントラスト、とっても素敵です(*^-^*)
太い梁もいいですね。

それにしても、きっと昔は寒かったんだろうなあ!!(^-^;

2017-01-22 17:42 | from シンディ・バーバー | URL

万見仙千代さん

2位群馬と3位長野はあまり差がないんですよね。いつ入れ替わっても不思議はないくらい。

正確に調べたわけではないのですが、群馬県内では高崎を中心に西の方にイタリア料理店が多い気がします。信州と西上州は絹での繋がりが深かったようですし、たくさんの人の交流によって共通の文化が多く発生したのかも知れませんね。

でもなぁ~、現在の全国的な人気度・知名度・魅力度などなど多くの面で長野県の方が遥かに上に行ってるんですよね。群馬県ももう少し頑張らないと…(^_^;

2017-01-22 21:48 | from トカ太 | URL

シンディ・バーバーさん

いや~、シンディさんが撮るお写真のような、ちゃんとしたモノじゃないんですけどね(^_^;
でも、写真はともかく状況を気に入って頂けたようで嬉しいです。

「昔は寒かったんだろうなあ」
そうそう、こちらのローカル局、群馬テレビの番組で実際に住んでいた人が出ていたのを見たことがありました(お西かお東かは忘れてしまいましたが)。当時の思い出として「とにかく寒かったです」と言ってたような記憶があります。

暖房器具が発達する以前、それこそ江戸時代なんかはどうやって冬の寒さをしのいだんでしょうね。モッコモコに重ね着してたんですかね。

2017-01-22 21:49 | from トカ太 | URL

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