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「あと少し」発掘調査で発見された悲劇 - 嬬恋村「鎌原観音堂」 - 群馬の観光や名物と上毛かるた

「あと少し」発掘調査で発見された悲劇 - 嬬恋村「鎌原観音堂」

『浅間のいたずら鬼の押出し』札画像『浅間のいたずら鬼の押出し』

 浅間山の天明の大噴火(1783年)で発生した土石流の恐ろしさを伝えてくれる吾妻郡嬬恋村(あがつまぐんつまごいむら)の「鎌原観音堂(かんばらかんのんどう)」を紹介します。

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 この日、観音堂の裏手に当たる浅間高原観光みやげセンターという場所に車を停めました。
鎌原観音堂裏の浅間高原観光みやげセンター駐車場
 タイミングが悪かったのか、店はひとつも開いてません。以前(といってもだいぶ前ですが)訪れた時はおみやげを売ってたと思うのですが……タイミングの問題でしょうね、きっと。

 上の写真の青い案内表示の所から奥に進み、階段を下ります。
鎌原観音堂「浅間高原観光みやげセンター」から続く階段
 木々が鬱蒼としているため先が見えず距離がありそうに見えますが……

ほぼ上の写真に写っている範囲だけで、すぐに観音堂目の前に到着です。
鎌原観音堂正面

 最初に目についた案内板からいくつか抜粋して箇条書きにしてみます。
鎌原観音堂案内板

  • 1783年8月5日午前10:30頃、浅間山の噴火により土石流が発生
  • 人口570人の鎌原村は一瞬で埋没し、被災死亡者477人、生存者93人
  • 昭和54年に発掘調査され50段の石段のうち35段が埋没、土石層6メートルと判明
  • この調査の際、二人の被災者が発見された
とのことです。

 この案内板には書かれていませんでしたが、確かこの二人は女性で、若い人が年老いた人をおぶさっている状態で発見されたんだったと思います。
鎌原観音堂案内板の遺骨写真アップ
親子だか、嫁姑だかだったらしいと子供の頃に歴史の副読本か何かで読んだ気がします。

 お堂に近寄り埋没した石段に注目してみます。
鎌原観音堂埋没石段(1)
鎌原観音堂埋没石段(2)

とにかくお参りを済ませて……
鎌原観音堂本堂正面

振り向きます。
鎌原観音堂本堂から見下ろしたところ
当時、お堂まで辿り着いて助かった人達は、きっと苦しい思いで二人に「早く、もっと早く!」と願ったんでしょうね。それとも命からがらで、振り向く余裕なんてなかったのでしょうか。

 そして当のお二人の気持ち……目の前に希望が見えているのに絶望に変わった瞬間、とても想像しきれない悲しさです。

 周辺には他にも色々あり、こちらの「十王堂」の中には…
鎌原観音堂「十王堂」

発掘された埋没民家の一部が置いてありました。
鎌原観音堂「十王堂」内部

 その横には「三十三回忌供養碑」
鎌原観音堂「三十三回忌供養碑」
 生き残った93人の人たちは村を捨てることなく復興に努めて、三十三回忌の際、隣村の援助をうけてこの供養碑を建立したとのことで、477人の犠牲者のお名前が供養碑4面に彫られているようです。

 供養碑の向いのあたりには「延命寺石標」
鎌原観音堂「延命寺石標」
 鎌原観音堂からそれほど離れてない所にあったお寺の石標で、100年以上経ってからだいぶ離れた場所で発見されたそうです。

 もう一度観音堂に近づき、階段の右側の「万霊供養塔」を確認。
鎌原観音堂「万霊供養塔」
 因みに供養塔の上(観音堂の横)の建物は「おこもり堂」といい、地元の人が詰めて一日も欠かさず供養をしているそうです。タオルが干してあるくらいですから、ほんのいっときではなく、24時間、もしくは昼間の間はずっと等、長い時間を掛けて犠牲者の霊を慰めているのかも知れませんね。

 そのまま右方向に進むと「聖観音像」
鎌原観音堂「聖観音像」
二百回忌で建立されたとのこと。

 来た時とは別の階段(観音堂と聖観音像の間)を登ると……
鎌原観音堂

「嬬恋郷土資料館」の駐車場に出ます。
「嬬恋郷土資料館」
 浅間山噴火の資料や埋没した鎌原村から発掘した出土品などを展示しているのですが、残念ながらこの日は時間切れで見学出来ませんでした。

 観音堂正面側の道は、ごくごく普通の田舎の風景。
鎌原観音堂正面に広がるのどかな風景
 230年前のその日、この辺り一帯が土石流に覆われて恐ろしい光景だったとは想像出来ないのどかな空気が流れていました。

◆鎌原観音堂
所在地:群馬県吾妻郡嬬恋村鎌原492
電話:0279-97-3852
見学自由


【関連記事】
「浅間鬼押出し園」の溶岩跡や「浅間火山博物館」のさまざまな資料からも噴火の脅威を知ることが出来ます。

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コメント
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2013-09-16 23:22 | from - |

おはようございます

今も昔も天災は
本当に予想も出来ない被害を起こします。
地元の方がきちんと供養されているのが
せめてもの救いですね・・・

2013-09-17 09:36 | from もんてらす | URL

No title

 こんにちは。

 本当にのどかな風景ですね。
 どんなに悲惨な天災でも、時が解決してくれる・・・
 ということでしょうか。
 残念ながら、いのちは戻らないですけれど。

2013-09-17 16:29 | from apricot・a | URL

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2013-09-17 19:09 | from - |

No title

こんばんは!

何とも胸の痛む話ですね…
もう一息で助からなかった方の無念を思うと、
とても悲しいですが、この場を離れず復興を
頑張られた住民の方がおられたからこそ、
今のこの、穏やかな風景があるのでしょうね。。

2013-09-17 19:17 | from クラッチマン | URL

No title

そういえば土石流から避難する話は
小学校のとき授業でやった記憶があります。
石段のご遺体が印象的でよく覚えています。。

2013-09-17 19:25 | from VIA♪ | URL

もんてらすさん

本当に、自然の力の前に人間って無力ですね。

地元の方々の思いが感じられる場所でした。

2013-09-17 22:38 | from トカ太 | URL

apricot・aさん

「風化」ではなく、「再生」という意味で時間の力って大きいのだな、と感じました。
犠牲になった方々には、安らかな眠りを祈るばかりですけどね。

2013-09-17 22:41 | from トカ太 | URL

クラッチマンさん

「背負わずに自分だけ逃げていれば、どういう結果だったのか」と考えてしまい、その若い人の思いを想像してみようと思ったこともありましたが、自分なりに考えても答えは出ませんでした。
決して地元を捨てず、元通りとはいかないまでも、村を立て直した当時のみなさんに感服するばかりです。

2013-09-17 22:51 | from トカ太 | URL

VIA♪さん

やっぱり授業でやったんでしたかね?
かなりウロ覚えで、昭和54年の発掘だと微妙だなぁ(という年齢です)と思ったのですが・・・うん、やっぱりきっと授業でやったんですね。
「背負って逃げて・・・」という話が衝撃だったのを覚えています。

2013-09-17 22:55 | from トカ太 | URL

狭山丘陵周辺では大飢饉

 噴火の影響は、遠く離れた江戸の多摩郡に属する狭山丘陵周辺でも、それまで続いてきた冷害に重なり、更に不作となりました。
 米価が上昇し、噴火前には100文で8合だったものが、暮れには6合になり、村人達は代官所に食べ物を買うための借金を願い出ています。
 素敵なルポで感激です。 野火止用水

2013-09-18 07:14 | from 野火止用水 | URL

野火止用水さん

ようこそいらっしゃいました(^o^)/

そして、詳しい解説ありがとうございます。
飢饉のきっかけの一つという程度の知識で、具体的にどの辺でどんな様子だったのか知らなかったので、とても勉強になりました。

2013-09-18 20:59 | from トカ太 | URL

以前に

初投稿です。以前に、鎌原観音堂へお参りに行ったことがありますが、当時の事を想うと、居た堪れない気持ちになります。とても都会の喧騒とした景観とは違い、長閑で、空気の綺麗な処だったと覚えています。
さて、観音堂ですが、電子書籍に、酔雲庵 鎌原大変日記 が、掲載されております。インターネットからでも閲覧は出来ますので、当時の背景を、その小説で窺い知る事が可能です。
僭越な事で申し訳ありませんが、是非時間があれば、資料館をもう一度行かれては如何でしょうか?色んな資料を見る事が出来ます。

2015-05-30 12:28 | from キャプテンホーク | URL | Edit

キャプテンホークさん

ようこそいらっしゃいました(^o^)/

まさにご指摘の通り、時間がゆっくり流れているように感じる場所で、当時の恐ろしい光景を想像するのは難しいですよね。

「酔雲庵 鎌原大変日記」ですね。チェックしてみます。情報ありがとうございます。

次に嬬恋村に出掛ける時は「嬬恋郷土資料館」を優先したいと思います。あっ、でも、館内写真撮影が可能かどうか確認してからにしますね。

2015-05-30 21:54 | from トカ太 | URL

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