【幻の上毛かるた】群馬文化協会英語版と絵札改訂前
発端は、当ブログの前記事『「英語版上毛かるた」が販売されています』に頂いたメッセージでした(前記事なのに昨年7月公開、もう8ヶ月も前の記事が最新ですみません…>o<;)。
頂いたメッセージをご紹介する前に、その記事の一部を再掲してみます。
今回発行されたのは群馬文化協会のものとは違い新たにイチから作成された「英語版上毛かるた」ですので群馬文化協会発行の「英語版上毛かるた」は幻になってしまったようです。手に触れられる距離で目にしていたのに入手しなかったのは一生の不覚です(>.<)そんなことを書いた記事に頂いたメッセージは、
「英語版の上毛かるた」の記事を、興味深く読ませていただきました。私の家には、群馬文化協会が発行した「英語版の上毛かるた」があります。別売されたCDもあります。大事にしていただける方にお譲りしたいと考えていたところです。もし、必要でしたらお申し付けください。ご連絡お待ちいたします。という有難すぎる内容でした(≧o≦)/
さっそく連絡をとらせて頂いたところ、群馬文化協会に縁のある方だと判明。対価・お礼として、どのような価格を想定したらよいか質問したところ
「英語版の上毛かるた」およびCDは、無償でお譲りしたいと考えています。父が生きていたら、そうしたと思うからです。とのご返信。
そう、亡くなったお父様のご遺品だそうなんです。上毛かるたを心から愛していたお父様とのことでした。
そんな思いの詰まった品を、私ごときが譲り受けてよいモノなのか???と思いつつ「他に入手する手段なんて思いつかん。この機会を逃してなるものか(≧o≦)」と、やりとりを続けさせて頂いたところ、こんな返信まで頂きました。
また、昭和40年頃に発行された「上毛かるた」もあります。絵札の図柄が現在のものとは異なるので、とても興味深いです。必要であれば、こちらもお譲りいたします。なんと!なんと!!なんと!!!(*o*)
さらに希少であろう絵札改訂前の上毛かるたまでお譲り頂けるとのことで「私ごときが云々」は消し飛び、具体的な受け渡し方法のやりとりに進ませて頂きました(さらにプラスアルファで貴重な品のお話まで頂き、膝はガクガク、心臓バクバク)。
そうこうして、送って頂いた頂いたのがコチラ
伝票は当然として、今のご時世では箱の図柄だって個人情報特定に繋がりかねない、そこからどんなトラブルに発展するか分からない……と思い、モザイク・ぼかし処理をしたら何がなんやら分からない画像になってしまいました(^_^;
そんな訳でちゃっちゃと箱の中に話を進めて…
はい、ギュウギュウでもなく、スカスカでもなく、高級車のサスペンションのごとくフンワリ・ピッタリと衝撃を吸収してくれるように地元紙「上毛新聞」が詰められていました(あっ、高級車のサスペンションなんて体験したことないや^o^;)。
上毛新聞を使った絶妙なクッション具合だけでも送って頂いた方のお人柄が想像できますが、その新聞をよけて中を確認すると…
さらにプチプチで丁寧に梱包されていました。
そんな品を箱から取り出して並べてみるとこんな様子。
もうね、「あれ?どこの大手通販サイトに注文したんだっけ?」という丁寧な梱包に頭が下がります。
そして、個人的には左上が気になって気になって気になっ……という状況ですが、話の筋からしても、まずは右側の群馬文化協会発行「英語版上毛かるた」に話を進めます。
プチプチを外してまずは一枚、パシャ。
えっ!?えっ!!!?えっ~っ!!!!????
なんかビニールの帯が掛かったままです。
この事実は記録せねば、とカメラを寄せてなんとか撮ったのがコチラ。
ブログ用にサイズダウンした画像でも、ビニールの帯をご確認頂けると思います。
まさかまさかの未開封状態に驚きつつ、箱裏を確認すると…
はい、確かに「群馬県」ではなく「群馬文化協会」発行版だと確認できました。
ここで前記事で紹介した 群馬県発行の英語版上毛かるた と並べてみます。
(左)群馬県版、(右)群馬文化協会版
ほほぉ~、群馬県発行版は、群馬文化協会発行版のデザインを踏襲していたんですね。
さっそく開封させて頂きどんな違いがあるのか……と話を進めたいところですが、今はとにかく譲って頂いた品の紹介を続けてみます。
群馬文化協会発行「英語版上毛かるた」の読み上げCDです。
なんとコレも未開封。
裏を確認してみます。
おっとコレは、読み上げの英文がそのまま文字にされているのでしょうか。これだけでも資料としての価値がありそうです。再生して聞き込みたいところですが、はやる気持ちを抑えて次のお宝へ。
はい、書籍です。
冒頭で紹介したメールのやりとりには書けませんでしたが「こんな書籍もあります」とご連絡を頂き、遠慮なく頂いてしまった品です。
「上毛かるたのこころ」は、古本でもなんでも入手せねばと思いつつ行動を起こす切っ掛けを見失ったままだったので、譲って頂けるという話に大喜びで甘えてしまいました。そして「上毛かるた30年の歩み」は群馬文化協会発行の非売品なんです。譲って頂いた方からのこの点に関するメール文章も紹介しておきます。
「上毛かるたのこころ」の件、承知いたしました。とのことで「上毛かるた60年の歩み」の英語版に関するページをわざわざ撮影して送って頂いたんです。「絶対に無駄にしてはいけない貴重な情報」ですので、いずれ個別記事で紹介させて頂きますが、今日のところは送付頂いた貴重な品々のおおまかな紹介を続けます。
これとは別に、「上毛かるた30年の歩み」という冊子もお譲りいたします。
これは群馬文化協会が発行したもので、絵札を描いてくださった小見辰男先生の言葉も載っています。
また、「上毛かるた60年の歩み」という冊子には、 「上毛かるた英語版」についての記事があります。
こちらの冊子は1つしかないので、このメールに記事の画像を添付いたしました。
ということで「上毛かるたのこころ」を開いてみると…
『謹呈 財団法人 群馬文化協会』のしおりが挟まれていました。つまり、群馬文化協会がどなたかに「謹んでさしあげる」ことを想定していたうちの一冊だったのでしょうね。「謹呈」すべき対象でもなんでもない私の元にこの状態で辿り着いたのは申し訳ない気持ちになりますが、ありがたく資料として残させて頂きます。古本で入手したのではこうはいかなかったであろうと、胸のドキドキが止まりません。
そして「上毛かるた30年の歩み」の奥付は、『非売品』の文字が目立っている他、上毛かるた生みの親である浦野匡彦氏(1986年没)の名前や現在とは桁数が違う電話番号など、1977年当時の時間を伝えてくれるタイムカプセルのようになっています。
『群馬県婦人青少年センター』や『三共印刷株式会社』という名称と、それぞれの所在地もブログネタとして掘り下げたいところですが、それもまた別の機会に。
そして……はい!!ついに登場!!!絵札改訂前の上毛かるたです!!!
現行版と同じように箱の裏面にも何か印刷されているかと……
無かったんですね。
箱を括るオビはないのでサクっと開けちゃいます。
えっ!?えっ!?え~~~っ!!!!!(*o*)
慌てながらも慎重に案内書類をどけてみると…
まさかまさかの紙のオビがついたままです!!!
その当時、発行・発売されたままの状態で箱の中に眠っていたんですね。まさに「お宝発掘!!!」という状況です。
呼吸・心拍があがって手が震えますが、慎重に束のひとつを取り出してみます。
束の側面に注目すると札の大きさが統一されていないのが分かります。
昭和49年版(と思われる)上毛かるたを紹介した時に「裁断技術が未熟だったらしい」と書かせて頂いたことを思い出したました。
【過去記事】
昔は裁断技術も未熟だったんですね - 昭和の『上毛かるた』
昭和49年版でピタリと裁断されていなければ、それより古い昭和40年版で札の大きさに差があるのも当然です。すぐにも札を並べてサイズを含めて絵柄をチェックしたいところですが、それはしっかり時間を確保してから慎重に行うことにします。
でも、上毛かるたの特徴のひとつである「読み札裏面の解説」が昭和40年版にもあることを確認するために、そうっと、そう~っと、札をずらしてみます。
この状態で裏面を確認すると…
「そぉですよねぇ~!!」と分かっていたこととはいえ、実際に自分の目で見られて嬉しくなりました。
そして一旦よけておいた案内書類を確認してみます。
初版からの全ての改訂年月日が書かれていることや『定価百円』の文字の他、現在の前橋市には存在しない町名など、56年前には当たり前でも今では想像するしかない事実の記録を、この手の中でこの目で確認できて感激しきりです。
更新が滞ったままなのに臆面もなくブログを閉鎖せずにいた結果、こんな有難いお話に繋がりました。現状で更新スピードを上げることは困難ですが、お譲り頂いた貴重な資料を私なりに紹介しきるため「のらりくらりと」になってもブログ運営は継続し、上毛かるたと群馬県のアレやコレやを発信し続けていきたいと思います。